2002年3月 「引越し」
「雑記帳」に書いたとおり引越しが決まり、工作室の大移動を行った。報告されても仕方がないかもしれないが、他に書くことがないので、引越しの経緯を報告したい。
【旋盤の運搬】
まず工作室から旋盤をどかさないことには片付けができない。外に出しても置き場はないので片付け作業のたびに工作室から出したり入れたりしないといけない。しかし重量は110kgもあり重心も不安定なので、簡単に動かすことはできない。どうするか悩んだあげく、分解してケースに収納することにした。ベッドと主軸、そしてサドルのみを残してすべて部品を取り外した結果、重量は約60kgに減った。これをかみさんと二人でいったん床に降ろし「ヤザキのイレクター」でキャスター付きのフレームを組んで収納した。思ったより軽くなったので、ベッド上の空間には、WILLIAMの主台枠を収納することにした(写真)。これを厚手のダンボールで囲って保管。外した部品は厳重にダンボール箱に梱包した。引越し当日の運搬は運送屋におまかせ。
【その他】
鋼材は10〜20kg単位でガムテープとひもでまとめ、そのまま運んでもらうことにした。ウェルズ炭は20kg入りが5袋あるが、袋には呼吸用の穴が開いており、粉がこぼれて汚いので、厚手のポリ袋で二重梱包した。ガスボンベは充てんしたままでは運送できないとのことだったので、ガス会社に依頼してガスを抜いてもらった(もったいないが仕方がない)。引越し直前に家族を里帰りさせ、工作室の荷物を全て居間に運び出すと、ダンボールの山となった。左の写真は、家具を残して空になった工作室。パソコンだけはライフラインなので、最後まで残した。
【新しい工作室】
注意深く物件を選んだので、工作室は6帖+クローゼットを確保することができた。今までは4帖のスペースに全てを詰め込んでいたので、部屋というより屋台という感じだった。イスから立ち上がって1歩以内で全ての機械にアクセスできるのが自慢?だった。新しい部屋では、余裕を持って機器を設置してもまだスペースが余っており、これなら新たに100kgクラスのフライス盤を導入することもできる。私にとっては夢のような環境である。
床はフローリングだが汚すわけにいかないので、上からさらにウッドカーペットを敷いた。ウッドカーペットとは、化粧合板の帯板をキャンバスで裏打ちして巻き取れるようにしたものである。ベニヤ板を敷きつめるより簡単だし費用もそんなに高くない。ウッドカーペットの周辺の空白部分にはビニールシートを敷き、画びょうと布テープで固定した。壁は段ボールまたは模造紙を貼って油の飛散を防ぐ。あまり通気性を悪くすると壁紙が湿気でやられてしまうので注意が必要である。
さてフライス盤だが、100kgクラスとなると木枠の状態で幅も奥行きも1メートル以上あり、そのままでは玄関を通らないどころか、マンションのエレベータにも載らない。外で分解して搬入するしか手はなく、周到な準備が必要である。
【取引先開拓】
引越しにより、せっかく時間をかけて築き上げてきた地元業者とのパイプは全て断ち切られてしまった。新天地で、材料、工具の仕入先をまた探さないといけない。工具商、鋼材商、伸銅品商などなど、まず取引先として認めてもらい、工具カタログや材料寸法リストをもらうところから始まる。最近はDIY店やインターネットでも特殊な商品が手にはいるようになってきたが、まだまだ種類は限られているし、割高である。ライブ自作をやるなら、地元での取引先開拓は必須といえる。
(終)