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2024年11月 「砂箱(2)」


先々月に予告していた砂箱の改造を実施した。具体的には、砂箱の後端底のアール形状を斜面形状に変更する改造である。

メタルソーで、底のアール部分を丸ごと切り取る。メタルソーはアール部分の周囲を一周させるが、切り取る幅の違いに合わせて二種類のメタルソーを使い分けた。



メタルソーでの切り口が汚かったので、エンドミルで仕上げ直した。改めて本体をバイスでチャックしたが、水平にチャックするために角度ゲージを使用した。




左が切り取り後のシルエットで、前期改造型はこの形状になる。これに底板を追加すれば良い。



切り口に合わせて底板を切り出す。内側の曲線形状は現物からトレースした。



前期型の砂箱は溶接ではなくリベットで組まれており、ダミーリベットを埋め込むための穴を開ける。



底板は、他の部品と同様に、真鍮アングルで本体に組み付ける。本体に真鍮アングルを取り付け、底板にも取り付け穴を開けた。



リベット用の穴に銅リベットを差し込み、裏をかしめて固定する。プライヤーでリベットを強く掴んでかしめるが、ヘッドの変形を防止するため、プライヤーの片側に焼鈍した銅板を貼り付けて使用した。



天板取り付け用のアングルの裏にもリベットがあるが、プライヤーが入らないので、フラットバーを加工して写真のようなかしめ工具を用意した。下のフラットバーには、ヘッドの変形防止用の銅板が貼り付けられている。




組み立てが終わったら、再び内部に高温ハンダを流してシールする。今回は1回で漏れは止まらず、ハンダを2回追加で流した。



先月用意した砂まき器を取り付けた状態。今は仮組みだが、塗装後の組み立てでは、砂まき器のフランジにシール材を塗ってシールする。



砂箱を本体のブラケットに取り付けた状態。あとは、天板に開閉可能なフタを取り付ける必要がある。一部に再びロストパーツを使うが、詳細は次回紹介する。



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