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2011年11月 「ドレンコックとランボード」


ドレンコックもOS製品である。ユーザーがレバーとピンをハンダ付けするようになっている。ハンダ付けで問題ないとは思うが、もし自作するなら間違いなく銀ロウ付けで組むと思うので、これも銀ロウ付けで組むことにした。


本体を分解して回転弁を取り出す。レバーに、ピンと回転弁を順次ロウ付けしていく。ピンはカシメ止めする設計になっていたが、分解できるように、ネジを切ってナットで止めることにした。



回転弁はOリングでシールされているが、分解時にOリングを切ってしまい、OSからOリングのみ購入した。フッ素樹脂製の高級品である。なお回転弁の反対側のナットは、ハンダでロックされていたので、ハンダを再溶解してロックし直した。



写真は、ドレンコックの操作系を構成する全部品。丸棒と平鋼材から作製した。リーチロッドに接続するアームのみ、外観を重視してシルエットをテーパーに仕上げた。



組み上げたドレン装置。キャブ内のリーチロッドを引くと、上下のシャフトがリンクで回転してドレンコックをつなぐロッドが前方に押され、コックが開く。




リーチロッドの後端は、逆転機の裏面に保持されている。ストロークを制限するためのネジに注意。ネジが固定枠に当たるところまでレバーを引くと、ドレンコックが全開になるように、リンク角度を調整する。



設計ミスで、ドレン駆動シャフトが軸動ポンプのストラップと干渉することが発覚! ストラップが下方に偏心した状態で車体を持ち上げると、軸箱が下がってストラップも下がり、ドレン駆動シャフトに当たってしまうのだ。これを回避するため、ストラップに切込みを入れた。



オイルポンプとシリンダーを配管で接続した。途中の逆止弁はOS製のチェックバルブである。ユニオン接続部品は、動輪舎のものを使用した。




銅管をきれいに曲げるには、写真のような治具を使用すると良い。真鍮の円盤に溝を切ったもので、溝の断面は、銅管に外接する正方形になっている。銅管径に応じて曲げ半径を規格化し、何種類か用意しておけば、どこにでも使える。



シャーシにランボードを取り付けるためのアングルを取り付けた。前後端梁と主台枠にそれぞれ取り付けられる。主台枠は板バネ軸サポート部品取り付け穴をそのまま利用した。端梁には穴を追加して取り付けた。ハンドポンプを補強するためのアングルも取り付ける。



アングルは直角を矯正して使用する。今回は、旋盤を用いて四爪チャックで掴んで矯正した。



ランボードは1.5mmのレーザーカット品。垂れ板は9.5mmの真鍮アングルから作成した。



垂れ板は、ネジの頭がランボード上に出ないように、ランボードにタップを立てて下からネジ止めとした。ネジはあらかじめランボード表面とツライチになるように切り揃えておく。平鋼材を所定の厚さに削って治具を作成。ネジを次々とねじ込んで先端を切断し、ヤスリで治具とツライチに仕上げる。



フロントデッキは、給油時に開けられるようにヒンジ構造にした。オイルタンクの上端はデッキ裏面とツライチになっており、デッキがタンクのフタを兼ねている。



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