2000年10月 「秋の運転会」
去る10月8日、一本松展望園で、恒例の秋の運転会が開催された。
今年は西日本一円から多数のゲストが参加され、賑やかな運転会となった。
今回の目玉は、トレイン6月号の表紙を飾った、横田氏の自作5インチC55に、
同じく5インチの技功舎C57を二輌つないだ三重連である。
他に新作もいろいろあったが、迫力からして相手が悪い。
参加したPENNSYLVANIAが、1番ゲージに見えてしまうほどであった。
とりあえず参加車輛を全て紹介したい。
ああ、こんな日にデビューすることにならなくて本当に良かった・・・
ここで少し、工作の進捗を報告。連結器(カプラー)を作った。
カプラー本体を自作するかどうか迷ったが、時間もないので、既製品を用いることにした。
1/12スケール用(1インチスケール用)としては、OS製品がすぐに手に入る。
ただしこれは、国鉄型カプラーと少し形が違うようである。
OSカプラーには、真鍮製の可動式(写真右)と、
砲金製の固定式(写真左)の2種類がある。
フロントカプラーは見ばえを優先して可動式とし、
リアカプラーは信頼性重視で固定式とした。
構造は、国鉄型蒸機に使われた自連カプラーを
そのまま再現したものにする。すなわち、
カプラー首はバッファービーム内部に入らないように短く切り、
首振り軸は後半を半円よりやや小さめに削り取り、
カプラーポケットの軸穴は、後半部分を角穴とする。
これによりカプラーは前後にスイングできるようになるので、
カプラー内部にコイルスプリングを納めて、これでカプラーを前に押し出す。
動輪舎などの1/8.4スケール用カプラーがこの構造である。
1/12スケールでこの構造にすると、強度的に不安が残るので、
トレーラーとの接続には、チェーン式の補助カプラーも付けることにする。
【カプラーポケット】
カプラーポケットはスケールよりやや横長にして、首振り角度をかせいだ。
上下分割構造であり、それぞれ12×19鋼材から削り出した。
加工時間を短縮するため、あらかじめドリルで肉そぎして、
ラフカットエンドミルで荒削りしてから仕上げた。
加工の終わったカプラーポケットは、上下を組み上げてバッファービームに貼り付け、
バッファービームに固定穴を移し開ける。
前部は見栄え優先でM3、後部は強度優先でM4とした。
【カプラー加工&スプリング作製】
カプラーは適当な長さに切断し、軸が入るφ8穴を開け、
そこにφ8ステンレス丸棒を入れて銀ロウ付けし、
上下突起をエンドミルとヤスリで半円近くまで整形する。
カプラー形状を何とか日本型に見せるため、
下部の突起を切りとって、底をヤスリで斜めに削る。
ここでスプリングを作る。スプリング強度は3kgw以上は欲しいが、
カプラー内部に収まる直径でこの強度を出すのは難しい。
φ1.2ステンレス線を外径φ6.8に巻いて強度を出したが、
コイルにかかる負担が大きく、ヘタリが心配。
スプリングの線材には、弾力のある冷間引抜材を用いる。
旋盤の自動送りを利用して手回しで巻き、グラインダーで両端を平らにする。
グラインダーによる加熱でなまらないように注意する。
できたコイルを何度か押し縮めているうちに、だんだん自然長が短くなってきた。
早くもヘタりはじめている!
しかし16mmのものが1mmくらい縮み、それ以上は縮まなくなったので、
とりあえずこのまま使うことにする。
スプリングの長さを見て、カプラーに開ける穴の深さを決める。
後ろから穴を開け、カプラーを組み立てて、バッファービームに取り付ける。
【REEVESはいずこ?】
REEVESにストック部品の分納を要求すると、不幸の手紙が届いた。
This company is into step of voluntary liquidation.
などと書かれており、どうやら自己破産したらしい。
いままでにそろった分(動輪など)は送ってくれて、二週間ほどで届いたが、
最後に残ったシリンダーブロック片方はキャンセルされてしまった。
どこかが買収して商売を再開する可能性もあるが、保証の限りはないとのこと。
シリンダーは自分で木型を作って鋳物を用意するしかない。
英国版、タカダモケイになってしまった・・・トホホ
(終)