2005年6月 「ディテール工作(5)」
試運転で汽笛の吹鳴が弱かったので、蒸気量を増やすことにした。具体的には汽笛弁のニードルの角度を3度から5度に変更した。写真左が新しいもので、右が古いものである。カセットトーチで再び蒸気上げをやって、鳴りを確認した。
運転室の屋根には、ディテールとして雨樋を付けた。3mm真鍮角棒を真鍮リベットで固定したものである。中央の切り欠き部分はネジ2本で固定。運転時に簡単に取り外せるようにした。
上まわりの塗装を実施。大きいので焼き付けが大変で、少しずつ移動しながら1週間かけて焼き付けた。500Wのヒータを終日つけっぱなしなので、電気代もばかにならない。
蒸気ドームにダミーの汽笛を取り付けた。設計は、平岡幸三氏のシェイに習った。レバーはあるが、ワイヤーは掃除の邪魔になるので省略している。
コンプレッサーの排気は、煙突の前まで引き出した。使用したのは3mmの鋼丸棒で、先端だけ穴を開けてパイプに似せている。煙突から出ている支えは、ハンドレール用の支柱を加工したもの。組み立て時は、煙突をはずして支柱だけを付け、パイプを通して煙突を再び取り付ける。パイプの塗膜が剥げないように、ノブの穴はパイプに対してわずかに大きめにしている。
キャブからコンプレッサーまでの蒸気管は、ラギングを表現してみた。手芸用品店でそれらしい黒の平ひもを買い求め、芯となる鋼丸棒に巻いた。最初に端部をエポキシ接着剤で固定し、全体に接着剤を塗った丸棒に固く巻いていき、巻き終わりをクリップで固定して乾かす。調圧器は事前に塗装、焼き付けして、ロックタイトで鋼丸棒に接着しておいた。
砂箱の側面に、ダミーのレバーを付け、引き棒とフォークエンドでキャブと接続した。
前端周囲のディテールを多数追加したために、運搬時に手を入れるところがなくなってしまった。そこで写真のような運搬用ハンドルを作った。平鋼をメタルベンダーで曲げてフックを作り、それを丸棒にネジ止めし、フック部分をビニールテープで保護したもの。これを前端梁の両端に引っかけて持ち上げる。
あとはプレート類とレタリングを残すのみで、機関車はほとんど形になったが、全景は完成までのお楽しみということで・・・
(終)