臨時増刊 「シギヤ軽便鐵道」
10月1日に、念願の試運転を敢行した。完成後の最初の試運転となる。場所は、福山のシギヤ精機製作所の敷地内レイアウトである。
(株)シギヤ精機製作所は、広島県福山市にある工作機械メーカーである。元会長(現相談役)の鴫谷定昌氏の手によって、7インチ半の軽便機関車三輌が製作されており、これを走らせるための固定レイアウトが、工場敷地内に作られている。そしてさらに近隣のライブスチーマーのリクエストに応えて、5インチと3インチ半の三線式レールが新たに併設されている。一本松とくらべると規模は小さいが、よく整備されており、運転のしやすいレイアウトになっている。鴫谷氏によれば、これから定期的に運転会を開催したいとのことで、西日本のライブスチーマーが集う新たなメッカとなりそうな感じである。今回、鴫谷氏のご厚意により、WILLIAMの試運転を兼ねたミニ運転会が開かれ、元一本松同好会の中原氏と今川氏がかけつけてくださった。
試運転は大きな問題もなく終わった。ハンドポンプの給水弁が固着して動かなくなっていたが、小ハンマーで軽く叩くと回復した。また、左側の逆止弁からわずかな漏れが認められるので、運転に支障はないが、いずれ修理しなければならない。この日も気温が高く、安全弁が吹きっぱなしという状況で数時間、運転を行った。
試運転の写真と映像は「ライブ奮戦記 別館」をご覧いただくとして、以下、「シギヤ軽便鐵道」の紹介をしたいと思う。
7インチ半のコッペル。運転の感覚は、ライブスチームというより、本物の軽便鉄道のよう(運転したことないが・・・)。これを運転させてもらうだけでも、訪問の価値はある。重量は約200キロとのこと。
7インチ半のエンドレスの内側をOSの三線式軌道が周回している。引き込み線も見える。組み線路ではあるが、コンクリートの基礎の上に固定されているため、安定性は高い。
7インチ半の軌道は傾斜がきつく、ブレーキをかけながら坂を下り、ブラスト音を上げて坂を上がるという、本物の森林鉄道のような雰囲気が味わえる。
レイアウト周辺には芝生が植えられ、中央には瓦葺きの休憩場所が。ライブをながめながら、模型談義に花を咲かせる。
7インチ半軌道から接続された機関庫。
機関庫の中には工作機械も置かれており、整備体制も万全。
本格的な転車台もある。
転勤先はまた岡山で、古巣にもどることになる。しかし一本松ミニ鉄道公園は完全な商業施設になってしまったので、ライブスチーマーの入り込む余地がなく、運転することができない。残念!
(終)