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2008年12月 「制動装置(2)」



ブレーキ梁釣は二種類あり、いずれも鋳鉄製である。写真は第一第二動輪用のもので、厚さを仕上げて3か所の穴開けをした。穴のサイズでガタの調整をしていて、第一は0.2mm、第二は0.3mm拡大している。いずれも必要な首振り角度をCADで作図して必要最小限のガタにしている。



これは第三ブレーキ梁釣用の鋳物。2本1体で鋳造してもらった。裏面の形状のみを表現している。表の湾曲面は削り出す前提である。



2本同時に見切り面を仕上げる。四爪チャックでぎりぎり把持できた。こちらの面が表側になる。このあと裏側も仕上げるが、裏は両端で段差があるので、フライス盤で仕上げた。



切り離してリンクの穴を開け、表面の湾曲面を仕上げる。角棒を治具としてこれに固定し、ロータリーテーブルで仕上げた。治具に固定するため、この時点で先端の穴はネジ穴になっているが、加工後にドリルを通して丸穴にする。



最後にスリット部分をエンドミルで切り取って完成。



ブレーキ梁は、4.5mm厚のレーザ加工板に、8mmのS45C丸棒を加工した軸を銀ろう付けして作る。写真では見えづらいが、ブレーキ梁の端部にも浅い溝を入れて、軸の溝と嵌合するようにして位置決めした。なお実物のブレーキ梁は、平板と軸とが一体となった鋳物である。



これはブレーキ梁に取り付ける鋳鉄製のリンク部品。今まで注文した鋳物では最小サイズである。鋳鉄の常識を逸脱したミニサイズで、これだと内部はほとんど黒皮化しているとのこと。強度が心配である。



ボルト固定面をエンドミルで仕上げ、この面を基準にしてリンクピン用の穴を開ける。最後に見切り面側のエッジをヤスリで丸めて完成。



ブレーキ梁に取り付けた状態。一番下の大きいのが第三ブレーキ梁である。ブレーキ梁釣の支点と作用点の関係で、第三ブレーキ梁に最も強い力がかかる。



ブレーキロッドで接続される釣合梁類は、レーザ加工で準備した。加工は穴を開けるだけ。主台枠に取り付けられる最前端の釣合梁だけ、リン青銅でブッシュを作って圧入した。摩耗対策ではなく、厚さ方向のスペーサー代わりである。ワッシャを使っても良いのだが、組み立てにくくなるのだ。



各リンクのピンはS45C丸棒を段差加工して作った。固定は割ピンで、そのための横穴が開いている。制動装置全部で37本のピンが必要。



C53の制輪子の角度は、制輪子の背面に隠された板バネとボルトで微調整できるようになっている。写真はそのための部品である。板バネは0.5mmのリン青銅板から作成した。第一第二と第三とで、形状が微妙に異なる。CADで原寸大の最終形状を印刷し、これを型紙としてヤットコなどで整形した。板バネを制輪子軸に保持するための壁付きワッシャはS45C丸棒から作成。調整ボルトを保持するアングルは真鍮製である。



第一第二制輪子釣に、調整機構を組み込んだ。向かって左が、裏側から見たところである。板バネの片側は制輪子を下から押し上げ、反対側は調整ボルトで押されている。ボルトの突き出し量で制輪子角度を調整し、ロックナットで固定する。ボルトはM2.6である。



第三制輪子の調整ボルトは、ブレーキ梁釣ではなくブレーキ梁に取り付けられている。ブレーキ梁を水平に保つための吊り輪が必要で、これは次回紹介する。



ブレーキ梁、ロッド、釣合梁を、ピンで組み立てた状態。主台枠へは、このまままとめて下から取り付けることができる。


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