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2019年3月 「炭水車板バネ」
炭水車も本体と同様の板バネが用いられる。材料はリン青銅帯板で、板バネの下部には軸箱を押す滑り子が取り付けられている。
帯板は、厚さ1.5mmのリン青銅の定尺版から、シャーリングで幅12mmに切り出してもらった。曲げロールで曲げ、万力にチャックして、必要長に切り出す。なるだけ材料に無駄が出ないように、組み合わせを考えて切り出した。
板バネを4枚ずつ重ねて治具にセットし、端部の加工をする。まず断面を仕上げた後に、大きく面取りを入れて八角形に仕上げる。治具をセットしたまま角度を変えるため、ロータリーテーブルを使用した。
板バネの中央に穴を開ける。これも治具にセットして4枚ずつまとめて加工した。
板バネをまとめるポケットは、12x2mmの鋼の帯板をコの字に曲げて作る。本体の板バネ製作時に使用した治具を再利用する。まず一端を曲げて、治具にセットして、所定の幅のコの字に曲げる。
コの字のポケットは、底板で塞いで閉じられる。底板は、12x3mmの帯板から切り出したものである。
板バネ両端の座金も、本体用の板バネと同様に、自作のツールで加工する。2007年11月の記事を参照のこと。加工した座金は、板バネの両端に圧入してハンダを流して補強した。
滑り子は20mmのS45C丸棒から作るが、材料が旋盤主軸を通らないので、固定触れ止めでサポートして旋削、突っ切りをした。
滑り子は下からザグリ加工されており、滑り子と板バネは、下から1本のネジでまとめて固定される。板バネの底板にはネジが切ってあり、滑り子はネジに締め付けられることなく自由に傾けるようになっている。
板バネ両端の座金と組み合わせられる上の座金も、本体と同じ方法で準備する。これも2007年11月の記事を参照のこと。
板バネの両端を支えるバネ釣軸を作製した。軸部分と根元のブッシュ部分は、ねじ込みで組み立てて銀ロウ付けで固定した。ネジ部に銀ロウを回すために、ネジの側面に糸鋸で溝を入れている。
バネ釣軸の根元をバネ釣受けに固定するためのピンを作製した。丸棒を段差加工して、割ピン用のクロス穴を開けたものである。
ここまでの部品を全て組み立てると、台車の全容が出現する。この時点で車輪はまだ車軸に接着していない。次は、制動装置の製作となる。
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