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2011年1月 「材料調達」


まずは材料調達である。木型は例によってモデラで製作した。鋳物は極力、鋳鉄を使するが、シリンダー回りだけは腐食防止のため砲金鋳物とする。C53の経験で、砲金は鋳鉄より鋳縮みが大きかったので、今回は縮みしろを鋳鉄1%、砲金2%とした。ケミカルウッドは、C53用に手配したケミオレンジというものの余りを使った。


写真は、作成した木型のすべてである。C53と比べると、サイズが全体に小さく、いずれも短時間で切削できた。鋳造は外注となる。砲金はいつもの非鉄鋳造所へ、鋳鉄は例によってK氏に外注を依頼した。



砲金鋳物があがってきた。いつもながら綺麗な仕上がりである。あまりにも木型が綺麗なので、どうやって作っているのかと質問された。モデラで0.1mm以下の精度で作っているので当然である。ようするに木型にここまでの精度は不要ということだが、表面のなめらかさ、抜き勾配の正確さは、型抜きの容易さにつながっているはずである(設計が悪いと元も子もないのだが)。



続いてレーザー加工である。今回は近場で頼めるところもなく、以前お世話になった「広島スチール工業」に依頼した。いずれも材質は不問(鋼だったら何でも良い)とした。板厚は薄い方から、1.6 2 2.5 3.2 4.5 6 9 12mmという具合で、多岐に渡る。



こちらはOSパーツ類。採寸してまた袋に入れて保管している。OSサイトからの情報で、真鍮製パーツは経年劣化で破損する場合があるらしい。英国の設計では、ボイラー回りの部品は真鍮ではなく砲金を推奨している。営業運転などで何年も使い続ける場合は、金属部品といえど、定期的な更新が必要である。




ボイラーは、英国の"Western Steam Model Engineers"に外注した。設計重量21kgの銅ボイラーだが、見積りは日本円にして17万円ほどで、最も高額な買い物になるが、価格自体は非常にリーズナブルといえる。ウイリアム製作中は、円安で1英ポンドが200円以上した。それが今では、円高に加えてポンド安で、1ポンドが130円程度である。英国からボイラーを買うのは今しかない! ただし注文時に払うのはデポジットとして価格の1割のみ。残りは完成時(1年後)であり、その時点での為替相場がどうなるかはわからない。


その他、平板や丸棒などの素材材料は、手持ちのもので間に合わなければ、都度注文する予定である。使わない材料は山のようにあるのだが・・・

これだけ外注・既成部品が多いと、自作というより、オリジナル・キットと呼ぶ方が良いかもしれない。トータルの材料費は、天賞堂の蒸機を2輌買ってまだおつりが来るくらいの金額になったが、それでも市販キットと比べるとまだまだ安い。
さあ、あとは作るだけ!


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