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2012年5月 「ボイラー搭載」


本体にボイラーを搭載して、残りの配管を接続する。ただしサドルタンクに接続する部分はサドルタンク完成後とする。


ハンスレットの通風管は、ボイラー内部ではなく外を通って煙室に導かれている。煙室内へはエルボ継手を介して入っている。エルボは、外の部分を真鍮角棒で、煙室に入る軸部分を丸棒で作成し、両者をロウ付けして作った。



銅管との接続は、銅管にネジを切ってエルボにねじ込み、ロックナットで固定するようにした。銅管の後端は、蒸気ドームに取り付けた通風弁に接続される。




エルボの煙室内部に入る部分には雄ネジが切られており、内側からナットで固定する。同じネジ部分を使って、銅管がユニオン接続される。銅管の反対側は、これもユニオン接続で吐出管に接続される。長さの微調整ができるように、銅管はU字にしている。



フィッティングに使用する銅管は4mmと5mmである。きれいに曲げるため、真鍮丸棒から各種ローラーを作成した。銅管は基本的に焼鈍せずに曲げた。焼鈍してしまうと、強度が弱くなるし、曲げる時につぶれやすくなるからである。ただし両端の銀ロウ付け部分は、熱でどうしても焼鈍されてしまう。




キャブの左側(公式側)には、OS製のハンドポンプとインジェクターを設置した。インジェクターには温度の高いサドルタンクの水は使えないので、トレーラーの水槽から水を供給する。


インジェクターの作用蒸気は、上の蒸気ドームから導かれ、ランボードの下のインジェクターに前から入る。供給水は後端梁から入り、仕切弁を通ってインジェクターの底に入る。あふれ水は同じく底から排出される。出口はインジェクターの後方で、逆止弁を通ってハンドポンプの出口と合流し、バックヘッドの逆止弁を通ってボイラー内に入る。インジェクター直後に逆止弁を入れたのは、ハンドポンプからの逆流を防止するためである。



右側(非公式側)の器具として、サドルタンクの水面計を製作した。透明の筒はホームセンターで売っている「アクリルサンデー」の21mm管である。走行中の水位の振動を少しでも抑えるため。あえて太い筒にした。台座は真鍮丸棒から作った。ランボード下から太いボルト1本で固定される。水路はサドルタンクの底と接続されるが、ここではとりあえず接続用のフランジのみ準備した。



右側の配管。写真では未接続だが、機関車前端にある軸動ポンプからの配管が、火室側面のティーに接続される。ここから分岐して後方はそのまま逆止弁を介してボイラーへ、下方はランボードを通り抜けて、キャブ後端のバイパス弁に接続される。バイパス弁からの水は銅管を通って、アクリル管に注ぎ込まれ、これが軸動リターンとなる。ここのバイパス弁もOS製だが、底のねじ込み部分をユニオン接続に改造している。



バックヘッド側から見た配管。銅管はなるだけきれいに見えるように形状を決めている。火室に沿った大きなアールは、銅管を直接火室に押し付けて曲げた。圧力計は、蒸気ドームに直接接続されている。汽笛はキャブ外壁に取り付けるので、未接続のまま。



ボイラー後部は、火室の両側に取り付けられたブロックによって主台枠の上に乗っている。このままだと転倒したときにボイラーが浮いて危険なので、上から鋼アングルで押さえた。ただしわずかに隙間を空けており、ボイラーが前後に微動できるようにしている。すなわちこれが「膨張受け」となる。



ランボード前部に、シリンダーのフランジを隠すカバーを取り付けた。実機では、シリンダー覆いと一体になってランボードを貫通しているものが多いが、それだと綺麗に仕上げるのが難しい。三角形の部品は、真鍮平角棒をメタルソーで斜めに切って作った。真鍮板にハンダ付けして一体とし、ランボード下からネジ2本で固定した。



ここまでに製作した部品をすべて取り付けた状態。だんだん完成に近づいてきた。次は難物のサドルタンクである。



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