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2012年7月 「サドルタンク(2)」



サドルタンクをボイラーに仮搭載してみると、全長が長すぎて、キャブ前板がボイラーの火室前面ステイに当たってしまう。設計では当たらないはずだが、加工誤差の蓄積によるものだろう。サドルタンクの全長を縮めるため、前板を追加工した。面板に両面テープで全面貼り付けし、正面削りで0.5mmを削り取った。両面テープを剥がす時は、隙間にアルコールを流し込むと剥がれやすくなる。



マンホールの枠と蓋は、それぞれ砲金鋳物を準備して加工した。枠はまず片側端面と内周を加工し、内周を三爪チャックして残りの面を加工した。




枠はタンクの内側から差し込み、前後を真鍮アングルで固定した上で、枠の周囲にハンダを流した。



蓋には取っ手を付ける。真鍮丸棒から加工し、ねじを切って蓋にねじ込んだ。



ハンドレールノブは、1/4.5スケールに合う巨大なものが市販品にないので、9.6mmの真鍮ボールから自作した。軸部分は真鍮丸棒から作り、ボールに穴を開けて銀ロウ付けする。真鍮ボールが非常に固く、加工しづらかった。



そのまま三爪チャックしてレールを差す穴を開ける。チャック傷を防ぐため、アルミ板を巻いている。



タンクの穴にに差し込み、裏面からM4ナットで締め、ハンダを流して永久固定する。ノブの横穴は止まり穴で、ここにレールの両端が収まって保持される。レールは、太さ5mmの快削ステンレス棒である。




組み立てネジのうち、側板に突出するものはすべて皿ネジに変更する。そのために側板を皿穴加工する。ミニフライス盤のステージに丸棒を取り付けて机からオーバーハングさせ、そこに側板を引っ掛けて加工した。加工には、5mmのポイントドリル(先端90度)を使用した。



最終組み立てを行い、継ぎ目にハンダを流してシールする。継ぎ目にペーストを塗り、ハンダを置いてガスバーナーで炙って溶かした。全体をハンダ付けするうちに、前に流したハンダが痩せて隙間があいてしまう。0.1mmほどの隙間でも開いてしまう。タンクに関してもボイラーと同様、完全に隙間なく組み立て、最小限のロウ材でシールするのが基本である。



皿ネジ部分にはハンダを盛り、ヤスリでツライチに仕上げ、ネジの痕跡を消す。ネジがステンレス製なので、ここだけステンレス専用のフラックスを使用した。組み立てが終わったところで、底穴をテープでふさぎ、タンクに水を張って、漏れがないことを確認した。



サドルタンクに接続されるのは、軸動ポンプ給水、ハンドポンプ給水、そして左右のバランス管である。配管は、給水関係が5mm銅管、バランス管が10mm真鍮管で、それぞれネジ2本で固定するフランジを作成した。組み立て時はバスコークでシールする予定。ボイラーを取らないと配管工事ができないので、以後の工作はあとまわしにする。



完成したサドルタンクをキャブの前板と接続し、本体に仮搭載してみた。キャブ前板の手前側がわずかに浮いているのがわかるだろうか。サドルタンクのねじれが原因である。ここは、最終的にサドルタンクの前後取り付け穴を拡大して、取り付け位置の微調整で逃げた。



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