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2016年7月 「塗装と組み立て」


今まで、ウレタン塗装は、混合型のスプレー缶を使ってきたが、色のバリエーションが限られている。そこで今回は、塗料を自分で調合してスプレーガンで塗ることにした。


スプレーガンは、デビルビス社のJJという機種を入手した。コンプレッサーは手持ちのものを使用。ガンの根元には水滴除去フィルターを付けた。



ウレタン塗料は、ロックペイント社のパナロックというシリーズを手配した。また、真鍮部品の剥離防止のため、「ミッチャクロン」というプライマーも使用した。



塗料は、主剤、硬化剤、シンナーを所定の比率で調合する。使い捨ての調合カップを使用し、台所用のデジタル秤で秤量した。調合前にそれぞれの液を撹拌し、調合後も充分な撹拌が必要である。必要量は、吹付け1回あたり150g/m2で計算した。



生地の下処理は、ペーパーで表面を磨いてからアルコールで拭き取り、エアブローでゴミを除去した。塗装は、3度塗りで仕上げた。塗り重ねのタイミングは、指に付かなくなる程度、15分ほどの間を置いて塗り重ねた。まず、下回りの赤の部品から塗った。



ネームプレートは、全体を赤で塗り、表面を磨き出し、真鍮の黒ずみ防止のため、最後にクリアーを吹いた。クリアーは、耐熱スプレー(オキツモ)で、焼き付けが必要である。



ボディは、ディープブルーという原色に近い青色に、グレー(黒+白)を混ぜることで、遮光性が高くて、大人しい色にした。青:黒:白=4:2:1で調合。国鉄色の青15号っぽい色になった。



スプレーガンで面倒なのは、調合よりもむしろ、使用後の洗浄の手間かもしれない。洗浄には大量のシンナーを消費し、処理に困る。残った塗料とともに、丸めた新聞紙に含ませてポリ袋に入れ、袋の口を開けて屋外に一週間ほど放置し、臭いが飛んだところで燃えるゴミで出した。



最終組み立てにあたって、サドルタンク下部の配管取付をしやすくするために、ロングドライバーを自作した。百均の精密ドライバーを研磨ディスクで切断し、丸棒に穴を開けて銀ロウ付けしたものである。主台枠下部からこのドライバーを使って、各配管のフランジを接続する。



すべての部品を取り付けて、とりあえず完成。
途中のブランクが長かったが、工作期間は、当初の予定どおり、2年で収まった。




牽引力がありそうなので、客車を2輌、増備することにした。手持ちの1輌はOS式で、ステップを床板より下に付けていたが、今回はシンプルに、床板がステップを兼ねる形状とした。2輌を2週間で完成できるように工法を選んだ。


今回はニス塗りで仕上げるため、木目の綺麗なシナランバーコアを使用した(1820x910x15)。1枚からほぼ1輌分の材料が取れる。ランバーコアは軽くて強度が低い。コバは全面接着するが、部分的に角材を追加して接着面積を稼ぐことにした。



材料は、妻板上部の斜めカットを除き、すべてホームセンターでカットしてもらった。木工用ボンドと木ねじで組み立てる。妻板に貼ったダミーの帯板はアルミ平板である。3室に仕切られた内部のうち中央部は、内側から角材で接着補強した。



座席部分は、中に厚さ10mmの発泡ウレタンシートを入れ、ビニールレザーで包んでタッカーで固定した。さらに手すりとして、市販のステンレス製ハンドルを取り付けた。内部にネジが切ってあり、裏面からボルトで固定している。座席板は、裏面両端の幅木で客車本体に挿入される。固定はせず、取り外し式とした。



台車は前回と同様、OSの軽量台車を使用した。本体には、和信ペイント油性ニスの「パインイエロー」をハケ塗りした。台車と帯板にはウレタン塗料の黒をスプレーした。ランバーコアに軽量台車で、総重量は15kg程度に収まった。全長は1430mmである。



報告が遅れたが関東転勤を機に、JMRC(日本小型鉄道クラブ)に入会した。7月に、白馬ミニトレインパークでナイター運転会があり、これがハンスレットの試運転となった。ナイターという名目だったが、夜は雨のため運転はせず、昼間だけの運転となった。客扱いもなかったので、新しい客車は出番がなかった。


動画

(写真と動画:埼玉のH氏撮影)

二日間で10キロ以上走ったが、走行自体は全く問題なかった。さすがに3インチ半のウイリアムと比べると、ボイラーも火室も大きく、ボイラーが安定していて運転しやすい。以下、運用上の問題点と対策。
  1. 手持ちのオイルガンのノズル先端が、軸動ストラップのオイルカップまで届かないことが判明した。ノズルを延長するか、シリコンチューブでオイル供給ラインを作る必要あり。
  2. サドルタンクにエア抜き穴がないため、軸動ポンプで水を消費すると、タンク内が減圧され、水面計からエアを吸い込んで、水位が下がってしまう。フタに空気穴を開けることにする。
  3. オイルポンプの供給速度が早すぎるような気がする。しかし駆動アームの半径を延長するスペースがないので、しばらく様子を見る。


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