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2021年11月 「煙室(2)」
煙室戸を固定する軸である矢尻を作った。材料はS45Cである。軸部分と先端三角部は別部品として加工し、銀ロウ付けで組み立てた。
軸部分は先にネジを切り、その根元の四角部分をエンドミルで加工した。加工をする反対側に、角棒から作った角度治具を固定し、スコヤで90度のインデクス加工をする。
こちらは矢尻を回転させる棒ハンドル。これも材料はS45Cで、軸部分と棒部分を銀ロウ付けで組み立てた。棒部分は心押ししてテーパー加工し、軸の角穴は、ドリルで丸穴を開けて精密角ヤスリで仕上げた。
丸ハンドルは、S45C丸棒から一体加工した。加工に先立ち、正面削りするためのカッターを自作した。以下、全体の加工手順を説明する。
丸棒を三爪チャックし、正面の断面シルエットを削り出す。ここでスポーク のくぼみ部分を削るのに、上記のカッターを使用した。加工が終わったら所定厚さで突っ切り、平鋼にハンダ付けする。
平鋼ごとロータリーテーブルにセットし、まずドリルで窓のコーナー部分を開け、フライスで窓を仕上げた。
裏面のプロファイルを削り出すために、写真のようなヤトイを作り、ハンドルの裏面を表にしてセットし、裏面のシルエット加工をして仕上げる。旋削すると、内部に隠れていた窓が出現する。旋削にあたり、センターのネジ固定だけだとハンドルが空回りするので、ヤトイに回り止めのピンを立てている。
煙室戸の蝶番の固定側、すなわち煙室前枠に取り付けるブラケットは、複雑な形状をしているが、鋼角棒から削り出した。以下、手順を説明する。
材料を平板にネジで固定し、まず横方向のプロファイルを加工する。ドリルで肉削ぎをしてからエンドミルで仕上げた。両端のネジ部分は最終的に切り落とす部分である。
ひっくり返してロータリーテーブルに取り付け、最終的な取付穴を開けてからベース部分のアール加工をする。ベース部分は、煙室のアールに沿って湾曲した形状になっている。
ここで両端のネジ穴部分を切り落とし、再び反転して、さきほど開けた新しい取付穴で平板にネジ止めし、取付穴の周囲のアール加工をする。
最後に部品を縦にセットし、上下の軸受け部分に軸穴を開けると同時に、その周囲のアール加工をする。アール加工時には、真鍮ビスまで削り込まれる。真鍮ビスだけだと固定が弱いので、角材を横に渡してアングル材に強く押し付けている。この後、上下を反転して、反対側のブラケットも同様に仕上げる。
ブラケットを煙室前枠に固定する穴だが、ケガキを間違えて4穴とも正規の位置より1ミリ下方に開けてしまった! リカバーするため、正規の位置にエンドミルで大穴を開け、そこにブッシュを差し込みロウ付けした。
前枠に取り付けたブラケット。穴は丸穴で、裏からナットで固定している。
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