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2023年1月 「灰箱(2)」
ここで火格子を作製する。火格子の材料は、SUS304の平鋼(12*3mm)と、M5の寸切りボルト、そしてワッシャとナットである。
火格子を組み立て中。平鋼の穴は両端の2枚だけ皿穴で、その他は丸穴である。平鋼とナットを交互に入れてナットを締める。少量のワッシャを追加し、全幅を微調整する。途中の短い1本と穴の開いた1本は、火格子を引き出すフックを引っ掛けるための穴である。
両端は、寸切りの先端をハンマーで潰して皿穴に埋め込んで固定する。先端部は、事前にバーナーで赤熱させて焼鈍しておく。引き棒をひっかける穴は後部中央のみとしていたが、火格子を前後逆方向にセットしてしまうことを想定して、前部にも穴を追加した。中央部にはもう穴を開けられないので、片側に穴を開けた。
火格子を引っぱり出す引き棒は、4mmの鋼丸棒から作った。取っ手を付ける必要はなかったのだが、余った線材と間違えて捨ててしまわないように体裁を整えるために付けた。
火格子をボイラー後方から出し入れするにあたり、火室後端の下向き壁が邪魔だったので、ヤスリで削り取った。ボイラーの漏れを誘発しないように、銀ロウと高温ハンダを流した部分を削らないように注意した。
灰箱の取り付けのため、膨張受けを追加工する。まず、火格子用のガイドレールが後膨張受けの一部と干渉するので、ここの改造をした。鋳物の中間梁を取り外し、両側の部品を一部削り、新たに平鋼で梁を作り直した。
前膨張受けは、中央部分を削って低くし、両端のボイラー受け部分に滑り板を取り付けた。
後台枠に灰箱を取り付けた状態。前端は前膨張受けの中央部にネジ止めされ、後端は火格子用レールが後膨張受けに固定される。
後部の拡大写真。後膨張受けの右下に突き出ているのが、底開閉用の押し棒。後膨張受け中央部のブラケットは、火格子後端をリフトアップする部品を保持するためのもの。
これが火格子の後端を持ち上げるためのリフター。中央部が支点になっており、ピンを通して、後膨張受けのブラケットに固定する。
火格子のリフトアップの様子。左がレールに沿って火格子を入れた状態で、右がそれをリフトアップした状態。リフトアップ後は、リフターの後端を後端梁天板にネジ止めして固定する。
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