2016年10月 「ドレン弁(2)」
ドレン弁の片側4本には、1本のスライドバーが貫通している。スライドバーには斜面が形成されており、バーが後方に引かれると、斜面がドレン弁の開閉棒を押し上げ、弁が開く。スライドバーはレーザー加工品である。スケールどおりだと、2ミリの角棒をさらに削り込んだ形状をしており、強度的に不安だったので、縦3ミリに拡大した。板厚は2.3ミリ。
スライドバーを駆動するためのアーム類は、3ミリのレーザー加工品にブッシュを銀ロウ付けし、必要な曲げ加工をして作った。ブッシュはS45Cで、銀ロウ付け後に中央穴を貫通させ、セットビス用のクロス穴も開けている。
主台枠に取り付けるブラケットも、同様の方法で加工した。貫通穴は4ミリで、取り付け用の穴は3ミリ。
スライドバーとアームを接続する中間ロッドは、3ミリの角棒である。両端に2ミリのスタッドを銀ロウ付けしている。スタッドの先端には、ナット止めのためのネジが切られている。このロッドにも曲げ加工をした。
スライドバーとアームを仮組みした。下向きのアームは、曲げ角度を実物より大きく取り、曲線で先台車が振れても干渉しないようにした。なお、上アームからキャブまでのリーチロッドは、ランボードといっしょに設計・製作する予定である。
左右のアームは丸棒にセットビスで固定されるが、ズレを防止するため、丸棒に平面を切っている。上アームは角度調整後に平面を切る。
実機では、左右蒸気室前部から、給水温め器に太い配管が接続されている。ここにはダミー管を接続する予定だが、フランジ接続のための加工を実施した。エンドミルの正面削りで固定面を出し、治具を用意してM2のネジ穴を開けた。治具は直径20ミリで、中央に4ミリの穴が開いている。シリンダー本体にM4の穴を開けてこの治具を固定した上で、2ミリの穴を移し開けた。写真の鋼材部品がその治具。
ハンスレット完成時に軽量客車を2輌新製したが、古い乗用台車は重くて不便だったので、短縮して一人乗りに改造することにした。まずは改造前の写真(再掲)。
こちらが改造後。本体は、乗客用のステップを取り外し、後部を切り詰めて妻板を貼り直し、再塗装した。色は前回とほとんど同じである。下まわりは、台車を安定させるため、位置を外寄りに変更した。ブレーキはそのままでロッドを再調整。内部の水槽は、3槽を1槽に減らした。