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2023年9月 「炭水車本体(2)」
水槽の上端は、幅6mm、厚さ1.2mmの帯板で縁取りされる。帯板は単板から切り出すが、前後のアール部分は単独部品として、形どおりにケガキ、切り出しを行った。リベット固定用の穴は、切り出す前に開けておく。
組立用の真鍮アングルは、全長を仕上げ、リベット用の穴を開ける。短いものはバイスにチャックして、長いものは、平板固定治具を利用して固定した。
アングルの裏側は、リベットをつぶし入れるために、皿モミカッターで皿穴化しておく。
アングルは、とりあえずM1.7のビス&ナットで仮組みしていく。写真は、水槽前端の三方向のアングルが付き合わせられる部分で、それぞれアングルを斜めにカットして隙間をなくした。
アングル端部の斜めカットは、写真のようにマシンバイスを所定の角度にセットし、エンドミルで仕上げた。
水槽前端部分は、石炭取出口、道具箱などがあり複雑な構造をしている。1.2mmの真鍮板を貼り合わせて表現した。板の接続にはアングルを用いて、一部は板を曲げて一体化している。実機の炭庫底(天板)は前半がスロープになっているが、炭庫への水の侵入を防ぐため、天板はストレートとした。道具箱もダミーで、中は水槽の一部となっている。
井桁に組み上げた水槽部分を底板の上に載せ、アングルの穴を底板に移し開ける。皿モミだけ入れて、底板単独で下穴を開けてタップを立てた(M2.6)。電動ドリルのヘッドと側板の干渉を避けるため、写真のようにドリルの先端を延長した。
後板の両端のアール部分は、アングルを設置できないので、アールに沿って曲げた帯板を追加して、底板との接合面積を確保した。
炭庫と座席の間に天板が設置され、その天板には、ハンドポンプの操作レバーが貫通する長穴が開いている。ホールソーで両端に丸穴を開け、糸鋸で接続して長穴にした。
座席の下の補強のため、ステンレスのアングル材でフレームを作って組み込む。アングル材にはステンレス用のドリルで穴を開けた。また直角の精度が不十分だったので、エンドミルで組み立て部分のみ矯正をした。
ステンレスのフレームを水槽に組み込んだ状態。下回りの台枠位置から柱を立てて座席の荷重を保持させる。前後方向の梁は単なる接続用である。底のアングルの幅を短くしているのは、水槽の水はけを良くするため。
水槽の前のデッキ部分は、2mmの真鍮板で作製した。写真はドローバーピン用の穴を開けているところ。
炭庫の後ろの天板は、ステンレスの蝶番により開閉可能とした。水槽への給水は、実物どおり後部のマンホールからもできるが、ここからだと一気に入れられる。
前部デッキは真鍮角棒で保持されている。最終的には上面に網目板を取り付ける予定。道具箱の上の穴は、軸動ポンプのリターンバルブを取り付ける穴である。丸穴に縦にバルブを取り付け、その横の長穴でリターン水を目視する。
全体の仮組みが終わった状態。炭庫の天板は後から取り付ける。次回、分解してリベットを打ち、ハンダ付けをしながら組み上げる工程を報告する。
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