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2024年1月 「試運転準備」



ドレン弁を運転席から操作できるように、仮のリーチロッドを設けた。後端はボイラー膨張受けの固定金具を利用してサポートを付けた。



C53本体を収めるケースは、主台枠ぎりぎりのサイズで用意していたが、キャブの屋根後端までカバーできる長さに延長した。写真右端が延長部で、レールを省略して支柱下端を嵩上げし、自在キャスターを取り付けた。これがケースの前輪となる。ケースの後輪は、全長の3分の1程度の後方寄りの両サイドに、大型のタイヤ付き車輪を取り付けた。ここで重量を受けて、先輪の荷重を軽くする。ケースの全高を抑えつつ、大型の車輪を取り付けるため、このような構造にした。C53本体は、試運転でボイラーの状態を点検しやすいように、ボイラーに巻くアルミリングとダミー火室は外しておく。


自宅の工作室は二階にあり、そこでC53を組み立てると、階下に下ろすことができない。さらに玄関から道路までは石段があり、ここも一人では下ろすことができない。そこで、家の前の駐車スペースを半分つぶして、作業小屋(物置)を設置した。広さは四畳程度で、手持ちの機関車、運転台車、運転備品等を収納し、さらに機関車の組み立て、整備ができる。内部にコンセントと照明を引き込み、夜間でも作業できるようにした。



今までの機関車の運転では、運転場で脱イオン水が手に入らない場合は、水道水で運転をしていたが、ボイラー内部へのスケール付着の被害が甚大である。C53では、ボイラーの健全性を保つため、イオン交換樹脂による脱イオン装置を導入した。現在では、脱イオン水は洗車用として需要があり、イオン交換樹脂と専用タンク(純水器)が比較的安価に入手できる。タンクに自分で樹脂を詰めて使用する。




タンクのキットに、導電率計が付属していた。導電率を不純物濃度に換算して表示する。「純水器」を通した水は、ちゃんと0ppmになっている。




大型のボイラーの蒸気上げをするには大型のブロアーが必要と聞いていたので、英国製の大型ブロアーを手配した(DC12V駆動)。非常に強力であり、コントローラで減速しないとボイラーを焼損してしまうかもしれない。コントローラは別途手配して接続した。



機関車を組立小屋から車に移載するには、リフトアップが必要である。ハンドリフターを利用するが、そのままでは機関車全体が乗らないので、リフトテーブルを外し、専用のレールを取り付けた。レールはアングルと木材の組み合わせである。キャスターは四輪とも自在キャスターに換装した。



リフターにC53を搭載した状態。リフトアップすると、ご覧のように非常に不安定になるので、リフトアップ後の移動は最小限にする。




現在の自分の車は小型のSUVだが、C53の搭載を考えて選択した。車内の全長は長くないが、助手席が可倒式であり、2メートルの長尺物を搭載することができる。後部座席と助手席を倒した状態で、コンパネを敷いて、床を形成した。後方が左右分割、更に助手席部分に別の板を接続している。後方から助手席に向かって、アングル材と木材でガイドレールを設置している。写真でもわかるとおり、かなりの登り勾配となっている。



搭載後の状態。左に機関車本体、右に炭水車および備品コンテナを入れると、ほぼ満杯となる。機関車本体は、前後からラッシングベルトで引いて、輸送中は前後どちらにも動かないようにする。


試運転の準備は整った。

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