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2024年6月 「ランボードその他」
ボイラーの左前方には動力逆転器が取り付けられるが、逆転リンクから力を受ける部品であり、ボイラー覆いへの固定だと不安があるので、ここだけボイラー本体に直接固定することにした。ただしボイラー本体に穴を開けるのではなく、アルミリングの間に縦梁を渡し、そこにブラケットを取り付けることにした。前後のブラケットは断面が三角形をしており、逆転器取り付け面が鉛直になっている。以下、加工のプロセスを示す。
先端リングと第一リングを取り外して穴開け加工し、縦梁となるアルミのフラットバーにネジ穴を開ける。ちなみに、使用しているアルミはすべてA2017(ジュラルミン)で、直接タップを立てることができる。
ブラケットは、縦梁の裏から六角穴付きボルトで固定される。ボルト頭を縦梁に埋め込むため、縦梁の裏にエンドミルで座繰り加工を入れた。
組み立て後にボイラー覆いを取り付けると、ブラケットのみ窓から突き出た状態になる。
ボイラーバンドには、英国Reeves社から入手した6.4*0.5mmの真鍮帯板を使用した。ボイラー覆いと同様に、両端に真鍮アングルを取り付け、ネジで締め付けて固定する。
真鍮アングルは切り出す前にまとめて穴を開ける。写真は、銅リベット埋込用の皿穴加工をしているところ。
真鍮帯板は必要長に切断して両端に穴を開ける。アングル固定後にハンダを流すので、帯板、アングル、銅リベットは酸洗いをした。
帯板とアングルを銅リベットで固定し、高温ハンダを流して補強する。
ボイラーバンドをボイラー覆いに取り付ける。下端の両アングルをボルト&ナットで締め付ける。ボイラー覆いの継ぎ目は、ボイラーバンドで隠される。
火室部分のボイラーバンドは下で締め付けられないので、両端をボイラー覆いにネジ止めした。ボイラーバンドの穴を長穴とし、バンドを引っ張った状態で締め付けて固定する。
ここでランボードの残りを作成する。材料は引き続き、動輪舎の網目板を使用した。ランボードは中央を境に上下に段差があり、前半(下段)の途中までが作成済みなので、前半の残りを切り出し、接続処理をする。裏を帯板で接続するが、表は前後のランボードを突き合わせた状態で固定穴を開ける。
接続用の帯板は、厚さ1.6mmの鋼板から切り出した。M1.7のタップを立てる。
ランボードの垂れ板は、真鍮アングルで表現する。固定跡が目立たないように、下からネジ止めする。真鍮アングルは、座標に従って丸穴を開ける。ここもM1.7を使用。
ランボードの垂れ板固定位置にタップを立てる。なお、ランボードの組み立て加工は、移し開けは一切使わず、フライスステージによる座標管理で穴を開けた。
ランボードの上下段差を接続する縦板は、真鍮板で作成した。固定用の穴を開け、更に配管を通す丸穴をホールソーで開ける。
加工の終わった縦板と、組立用のアングル。縦板の配管が通る穴は、U字に切り開かれている。
段差部を組み上げ、垂れ板を取り付けた状態。左が表から見たところで、右が裏返しである。縦板はランボードの下に突出しており、配管が通る穴はランボードより下になる。
組み立てたランボードをランボード支えに載せた状態。最終固定するには砂箱と運転室が必要で、この時点では仮組みのままとする。完成後はハンダを流して補強する予定である。
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