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2011年9月 「ロッドとポンプ類」



メインロッド、サイドロッドはレーザー加工品である。この機関車のロッドは磨き出しではなく塗装なので、あまり外観を気にする必要はない。長尺部分の断面のみ回転砥石で仕上げた。



動輪の軸距を取るための治具を用意した。前後の真鍮製ブッシュの片側のみ偏心ブッシュになっている。ブッシュは内径10mmで外径13mm、これはロッドに最終的に圧入するブッシュと同じ寸法である。



車体を定盤の上に置き、前後のクランクピンの高さを死点位置に揃え、治具をクランクピンに入れ、偏心ブッシュをネジでロックする。



サイドロッドの一端に13mmの穴を開け、治具のブッシュのうち偏心してない方を抜いてここに入れ、治具の偏心ブッシュを重ねて10mmの丸棒を通す。そして反対側の13mmの穴を、サイドロッドに移し開ける。この方法により、一気に最終寸法の穴を移し開けることができる。



ロッドに圧入するブッシュは、治具用とは別に用意する(こちらはリン青銅製)。外径は圧入固さに仕上げ、内径はクランクピンより0.05〜0.1mm拡大した。
メインロッドも含めて、すべてのブッシュを圧入。最後に油壺の穴を開けるが、これはブッシュまで貫通させる。



できあがったロッドを本体に組み付ける。メインロッドとサイドロッドの間には筒状のスペーサーを入れた。ロッドの抜け落ち防止には、セットビス付きのリングを使っている。クランクピンの端部にセットビスと同じ大きさのわずかなくぼみを掘り、ここにネジ止めすることで緩み防止とした。



メインロッドとクロスヘッドを接続し、シリンダーのピストン位置を確認して、ピストンロッドをクロスヘッドに固定する。接続位置をマーキングして分解し、3mmテーパーピンで接続した。写真はテーパーピンリーマーで、テーパー穴を形成しているところ。



エキセントリックから動きをとるためのストラップを作製した。軸動給水ポンプ用が1本、バルブギア用が4本必要。いずれも6mmのレーザー加工でシルエットは完成しており、メタルソーで半円に分割し、切断面をエンドミルで仕上げ、ボルトで組み立てる。分割する前に固定穴を開けておくと後が楽である。



組み立てた状態で摺動円を仕上げる。写真はバルブギア用のストラップ。



給水ポンプ用は、アームが長すぎて旋盤の振りを越えていたので、サドルに固定して、シリンダー用の裾えぐり工具でボーリング加工をした。



バルブギア用ストラップの先端のフォークは、オフセットしている。反対勝手で2組が必要。写真のようにレーザー加工部品と平鋼材を組み合わせ、ネジ止め&銀ロウ付けで仕上げた。この時点ではまだ接続穴を開けていない。



バルブギア用ストラップは、軸距がすべてきれいに揃っていなければならない。写真のような治具をフライス盤のステージに組み付け、ステージは固定したまま次々とストラップを取り付け、穴を開けた。センタードリルで下穴を開け、ドリルを貫通させる。



主台枠に、OS製の軸動給水ポンプとオイルポンプを取り付けた。写真右端が前端梁である。軸動給水ポンプは、前端梁のすぐ後の中間梁に取り付け穴を開けており、ここに差し込んでネジ止めする。ストラップの先端に平鋼材のフォークを取り付け、ポンプのラムと接続する。一方のオイルポンプは、主台枠側面に六角棒のスタッドを立てて保持した。こちらも給水ポンプ用のストラップで駆動される。ストラップの根元部分にピンを接着し、平鋼材から作ったアームで接続した。



Western Steamからボイラーが入荷した。福岡空港で業者に通関してもらったが、模型機関車用ボイラーというのがなかなかイメージしてもらえず、説明に苦労した。結局、輸入消費税だけで無事通関できた。重量は約20kg。表面は荒いバフ研磨が施されていてピカピカである。銀ロウは必要最小限の範囲にだけ拡がっており、さすがはプロの作品である。



小冊子が同封されていて、仕様書、取扱説明書、圧力テスト合格証が添付されていた。テスト圧力が160psiで、常用圧力が80psiとある。psiはポンド/平方インチという圧力単位で、80psiは0.55MPaである。



早速、火室を主台枠内に収めようとしたが、サイドステイが引っかかって入らない! 寸法を確認すると、設計では火室の左右に1mmずつしか余裕を取っておらず、サイドステイの突出は0.5mm程度なのだが、火室の幅が1mmほどのプラス誤差で仕上がっているので入らないのだ。この程度の誤差は許容すべきであり、自分の設計ミスということになる。


サイドステイを削ると漏れが発生しそうで恐いので、主台枠側を削る、すなわち内側面のサイドステイ位置に縦方向の浅い溝を掘って回避することにした。次に主台枠を分解するタイミングで加工する予定。


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