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2012年11月 「台湾鉄道観光」
日本からライブ仲間の今川氏が遊びに来て、丸二日間、鉄道施設を中心に観光をした。游さんの工房にも立ち寄ったのだが、こちらは中身があまりにも濃いので、次の機会に紹介したい。ということで今回は観光レポートのみである。
写真は游さんの工房でのお二人。
游さんの案内で、台湾北部にある平渓線の十分駅へ。線路の両側に売店が並び、軒先をかすめるように列車が走る。線路上も観光客が普通に歩いている。列車が近づくと、駅員が笛で人々を散らす。徐行するのかと思ったら、普通の速度で通過していった。
こちらは、有名な観光地の「九份」。元々金鉱で栄えた街で、閉山でさびれていたが、台湾で映画のロケ地に使われたことから観光地として栄えるようになった。最近では、「千と千尋の神隠し」の情景モデルになったことで有名。この坂道が散策ポイントで、日本人の観光客が多い。
夜は基隆の夜市で夕食。台湾に行ったらぜひ夜市に立ち寄りたいが、日本人だけで旨いものを探し当てるのは難しい。游さんの案内で、穴場の旨い店に案内してもらった。
そこから少し歩くと基隆港に出る。台湾の貿易の中心地である。港を見ていると里心がついてしまう私であった。
翌日は日本人二人だけで、台中を中心に鉄道観光をした。まず高鉄(新幹線)の台中駅で、Nゲージのジオラマを発見。駅の外観がそのまま再現されている、と思ったら、これは台中駅ではなく新竹駅ではないか。なお、実物の新竹駅には0系新幹線は展示されていない。
こちらは、台鉄(在来線)新鳥日駅の構内に展示されていた、ダンボール製のシェイ。ペーパークラフトを売る店があり、それの宣伝用らしい。これがもしキットで発売されれば、買ってしまいそうである。置き場がないか・・・
台鉄の員林駅からタクシーで30分ほどのところにある「渓湖糖廠」へ。ここはサトウキビ農園を持つ製糖工場の跡地で、今は観光地になっている。観光用の軽便鉄道が走っており、時々SLで牽引されるらしいが、残念ながら当日はDL牽引だった。SLは、無火状態で展示だけされていた。ベルギー製の機関車である。
軽便鉄道に乗車。二軸貨車に屋根をつけただけの客車で、乗り心地を期待してはいけないが、揺れがひどく酔いそうになった。路線はそのまま施設の敷地を出て、一般道を横切り、畑の中をひた走る。終点には何もなく、乗客目当ての露店が並んでいただけ。機回ししてそのまま引き返し、乗車時間は小一時間ほどだった。写真の男性がガイドさんで、往路の30分ずっとしゃべっていたが、中国語なので全くわからず。
台鉄で彰化駅に移動。そこから徒歩10分ほどのところにある「彰化機務段」で、扇形機関庫を見学した。一般開放はしていないが、入口でパスポートを見せてサインをすれば見学できる。ここで台鉄の動態保存SLの整備が行われている。
游さんのD51のモデルであるDT668が無火状態で駐機されていた。雨がひどくなり、綺麗に撮影できず。
こちらはCK124で、庫外に駐機されていた。C12にデフレクターを付けたものである。
ターンテーブルのすぐ横に展望台があり、機関庫全体を展望できる。台湾はまだまだ非電化区間が多く、機関車はDLが中心である。アメリカ製が多い様子。
つづいて、台鉄の苗栗駅の近くにある、苗栗鉄道文化展示館を見学。彰化駅から乗る列車のホームを間違え、1本遅れてしまったため、日没間際の見学となった。目当ては静態保存のシェイである。エンジン側のすぐ横に鉄柵があり、この角度でしか撮影できなかった。
エンジンと駆動台車のアップ。
9600形とおぼしき機関車も提示されていた。鉄道文化展示館といっても、屋根付きスペースに車輌が展示されているだけで、係員もいない。入場は無料だった。
二日間で見られたのはこの程度だが、台湾にはまだまだ鉄道遺産がある。生きた蒸気機関車に未だに出会えていないのが残念。SLはチャーター運転が多く、運転日が一般公開されないようで、なかなか出会いにくいのである。
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