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2021年1月 「ボイラー全体仮組み」


外ボイラーができたところで、内ボイラーも仮組みして、内外ボイラーを組み合わせようとしたのだが、煙管が喉板に当たってうまく組み立てられない。よくよく調べると、煙管取付穴位置を間違えて、本来あるべき位置より3mm下に取り付けてしまっていることが発覚! これでは組み立て不能であり、煙管と内火室管板を作り直すしかない。

再び内火室管板を作製。板を切り出して焼鈍してフランジ加工をして、煙管用の穴開けを実施。




左が失敗作で、右がやり直し。煙管はロウ付けを外して再利用できなくはないが、そのせいで漏れたら嫌なので新品の銅管を手配して作り直した。さらにフロントステイも作り直し。全部で約2週間のロスとなった。



煙室管板の外径を旋削して仕上げる。缶胴の先端に、プラスチックハンマーで軽く叩き込めるくらいの固さに仕上げた。




最後に作り残したブッシュとして、煙室管板に付ける加減弁ブッシュを作製した。ここれも旋削後にフライスステージで穴開けをした。



とりあえず煙管なしで内外ボイラーを組み上げてみた。この隙間を埋める底枠を作る。



底枠には、厚さ6mmの銅の帯板を使用した。まず外ボイラー側のシルエットをフライス加工で仕上げ、外ボイラーに沿わせて隙間がないように調整する。



続いて内ボイラー側を加工して合わせこむ。全体をクランプで締め付けて隙間が出ないように調整した。




底枠だけ取り出すと、このような形状になっている。



底枠はボイラーの内外からネジ止めされる。ボイラー内外から穴位置を移し開け、ばらして単独でネジ穴を開ける。漏れのリスクを最小限にするため、ネジ穴はすべて止まり穴とした。




底枠を仮止めした状態。各部に隙間が出ないように、内外からハンマーで叩くなどして調整する。



内火室にクラウンステイと底枠を取り付けた状態。クラウンステイにはホールソーで横穴を開けた。



内外火室を組み上げ、クラウンステイを外火室天板に接続するアングルをネジ止めする。バックヘッドだけ外し、まずアングル4本を位置決めしてクラウンステイにクランプする。写真では見えないが、アングルの前端も、バレルの前から手を入れてクランプで固定している。このままの状態で、天板の外側からリベット穴を移し開ける。



ここもとりあえずビスとナットで仮止めする。



内火室のみ外すとこのような状態になる。鋭角と鈍角のアングルは、間にスペーサーを挟んでネジで仮止めされている。



サイドステイを除く全部品の作成が完了した。あとは、銀ロウ付け仕事がメインになる。



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