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2021年2月 「ボイラー銀ロウ付け(2)」


前回に引き続き、JMRCのS氏の工房で、第二回の銀ロウ付け作業を実施した。


外火室天板にクラウンステイの上控と蒸気箱ブッシュをロウ付けする。上控はリベットで仮固定し、ブッシュは天板の穴周囲をかしめて仮固定した。上控の内外に銀ロウを流すため、棒ロウの一部を上控の内部に差し込んでロウ付けした。



第一缶胴にドームフランジを、第二缶胴に安全弁ブッシュを、それぞれロウ付けする。いずれも内部に銀ロウを置いて外から加熱している。



銀ロウ付け後のドームフランジを内外から見たところ。外側からドームの左右にピンを刺し、内側からドームの前後にピンを刺して仮固定している。銀ロウ付け中の抜け落ちを防止すると同時に、左右に傾くのを防ぐためである。安全弁ブッシュも同じ方法で水平を出して固定した。特に安全弁ブッシュが傾くと、取り付けた安全弁も傾いて非常に目立つので、注意が必要である。




ここでS氏の工房をお借りして、前後の缶胴をリベットで固定した。前後は重ね合わせ接続となっている。鋼管を万力でチャックし、ここに缶胴を通して、鋼管をアンビルとして固定した。



内部の段差部分にフラックスを塗って銀ロウを並べる。これを外から加熱して銀ロウを流す。内部の段差部分は乗せた銀ロウが落ちないように、断面を45度に仕上げている。



外側から均等に加熱し、時々火勢を緩めて中を覗きながら、銀ロウが溶けて外に流れ出すを待つ。




外火室天板の両端に、側板と接続するための帯状の継板を付ける。ここもリベットで固定して、銀ロウを継目全体に流す。



前回のやり直しで、内火室管板に煙管とフロントステイをロウ付けする。



そこに内火室側板/後板を付ける。内側のフランジ断面部に銀ロウを並べて外から加熱して付ける。煙管の焼損を防ぐため、煙管の根元にセラミックシートを巻いて針金で固定した。このセラミックシートは、平岡氏設計ロコの制作を担当している中原氏からいただいたものである。




さらにクラウンステイを付ける。ここは真鍮ビスで仮固定した。二回に分けて、左右に傾けて両側から銀ロウを流し込んだ。



内火室の組み立てが終わった。煙室管板は、煙管先端の保持のため差し込んでいるだけである。今回の銀ロウ付け作業はここまでとなる。



自宅にて、次回のロウ付け前の準備として、缶胴に喉板と天板をリベット固定した。天板の固定は、アンビルが入れにくい場所なので、フラットバーと円盤で写真のようなアンビルを作り、これを作業机に固定し、リベット打ち作業を行った。



継目にフラックスを塗って銀ロウを並べ、次回の銀ロウ付け作業にそなえる。以前は、リベット組み立て前に継目にフラックスを塗っていたが、それだと隙間の確認ができないので、今はリベット組み立て後にフラックスを塗るようにしている。


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