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2025年7月 「煙室周辺部品」

煙室にディテール部品を取り付けるための追加の穴を開ける。煙室胴は厚さが2.3mmあり、タップを立ててネジ止めとする。
煙室の両肩に取り付ける「上ステップ」を作製する。まず端部にアールの入った天板を用意するが、フラットバーをボールエンドミルで加工して型板を用意し、1.2mmの鋼板を切り出して焼鈍し、板金で整形した。整形中に板がずれないように、固定穴にピンを入れて止めている。

天板を支える支持板は鈍角のコの字で、これも型板を作って整形した。右は、整形の終わった天板と支持板。


両方の板を煙室に仮止めし、接合部が密着するように細かい修正を加える。

ここで天板に矩形の窓を開け、上下の板を固定する穴を開ける。窓をここまで開けなかったのは、整形による窓周囲の歪みを防ぐため。

上下の板を組み立てて銀ロウ付けする。接合後に固定ネジの頭を削り取る。写真の奥が削り取り前で、手前が削り取り後。

再び煙室に取り付け、最後に除煙板固定腕を固定するためのネジ穴を開けて完成。
煙室の左右には「下ステップ」が付くが、こちらはシンプルな1枚板の板金加工である。取り付け部分を曲げる際、わずかに鈍角になるので、万力に真鍮帯板を貼って角度を調整した。


フロントデッキに取り付ける「カンテラ掛け」を作る。台座部品に支柱を刺すための長穴をミリングする。

各部品を加工した状態とそれを組み上げたところ。銀ロウ付けで固定して完成となる。

前照灯台を煙室前板に取り付けるため、煙室前板にタップ立て加工をする。

こちらは前照灯台の縦板を加工しているところ。ドリルによる穴開けと、梁固定用の溝入れ加工をした。

部品の断面に、組み立てピンを差すための穴を開ける。板厚1.2mmの部品に0.6mmの穴を開けた。

加工の終わった部品類。0.6mmの真鍮線をピンとして組み立てる。

各部を銀ロウ付けして完成。ピンの先端は削り落とす。写真は、裏から見た状態である。

フロントデッキの点検蓋が走行の振動でばたつくのを防ぐため、マグネットで吸着することにした。じつはこれを目的として、点検蓋を真鍮製ではなく鋼製としたのである。マグネットはネオジム磁石で、直径9.5mmの固定穴付きのものを用いた。
点検蓋の下の真鍮の梁部分にネジ穴を開け、磁石を取り付ける。蓋1枚につき2個を取り付けた。蓋と磁石は、真鍮梁の厚さ1.2mmだけ離れており、そのままでは吸着力が弱くなってしまうが、蓋と接触する固定ネジを真鍮製から鉄製に変更することで、ネジが磁化されて強い吸着力が得られた。

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