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2025年10月 「ボイラー搭載」
まずは先月の塗装の続きから。各部品の塗装後、注意して取り扱ったつもりだったが、乾燥中に煙室の塗膜に傷が入ってしまった(左)。修復に先立ち、1000番のペーパーで傷の周囲を削り、表面を平らに均した(右)。

 

前回と同様に三度塗りして仕上げた。傷の痕跡は完全に消すことができた。
修復のため新しいウレタンスプレー缶を開封(混合)したので、使い切らなければならない。当初の予定外の塗装を追加した。砂箱関係の部品と、給水温め器の部品の塗装を行った。

 

缶胴の右前方に、缶逆止弁取り付け用のフランジを取り付ける。円柱の側面部はボイラー覆いの外に露出するので、黒く塗装している。

煙室周辺の隙間は、耐火パテを用いてシールをした。上の写真でアルミリングと延長胴の間に見える灰色の塗り物がこのパテである。その他、煙室後半下部の段差部分の隙間もこのパテで埋めた。

ボイラーとボイラー覆いの間は断熱材を詰めるが、かなり隙間があるので、厚さ25mmのグラスウールを巻くことにした。工場配管用の断熱材であり、それなりの保温効果が期待できるだろう。

缶胴の部分、アルミリングの間に巻き、ステンレスの針金でしばって固定した。火室の部分はボイラー覆いを追加工する予定なので、断熱材装着も先送りする。

ボイラーの火室下にダミー火室を取り付け、缶胴の前からボイラー覆いを入れ、ボイラーバンドで締め付けて固定する。この時点で、加減弁と水面計は取り付け済み。

本体にボイラーを載せる前に、ブレーキシリンダーに接続する配管を取り付けておく。断熱テープを巻いている太い管が蒸気管で、細いのは注油管である。

ボイラーを組み立てた状態だと40kgほどもあり、さすがに持ち上げることができないので、レバーホイストで吊り上げて搭載することにした。組立小屋の天井板は外しており、天井梁にワイヤーを巻き、レバーホイストを取り付けた。天井梁の強度はそれほど期待できないが、ボイラー程度であれば問題ない。
下まわりに煙室と灰箱を取り付け、ボイラーを吊り上げて搭載する。吊掛ロープで塗膜に傷が付かないように、タオルで養生した。ボイラー後端を膨張受けに載せ、前端は煙室に差し込み、煙室内部からボルトで固定し、継ぎ目にボイラーバンドを巻く。

 

今回、バルブ、フランジ等のシールには、ロックタイト510ではなく、バスコークを用いた。ロックタイトはシール性は高いが、接着力が強すぎて、分解時に部品にダメージを与える可能性がある。バスコークは製造後の寿命が短いという欠点があり、新品でまとめて作業をする方が良い。
未塗装の部品も含め、ここまでに作った部品をすべて取り付けてみた。この状態で試運転しようと思えばできなくはないが、準備が大変であり予定していない。
 
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